
演劇界の隅の隅、およそ芸術とは程遠いお笑い劇団をやっている身からしても、偉大な偉大な人でした。
井上ひさしさんとつかこうへいさんという両極の天才を、奇しくも肺ガンという同一の病で失ったことは、チンケな私でも無念で無念でたまりません。
コント55号が好きでお笑いに踏み込み、つかこうへいに憧れ演劇を始めました。俺は、あそこまでの覚悟で演劇に向き合っているだろうか?
一度も教えを乞えたことはありませんでした。一般に発売されている著書だけの接点でした。でも、気持ちはつかチルドレンのつもりでおります。もちろん足下の下の下にも及びませんが。
「俺はコメディなんでゲスなものはやったことがない」
カッコ良すぎます。
その昔、劇作家協会の旗揚げ集会に行ったことがあります。
舞台上には井上ひさしさんや別役実さんなど大御所たちが。
しかし、配布された賛同者の書かれた紙には、つかさんの名前がありませんでした。
「劇作家が徒党を組んで何すんだ?」
これがつかさんの、あとから漏れ聞いた言葉です。井上さんとつかさんの違いが際立った瞬間でした。
現代の傾き者、天才芸術家の早逝に心から哀悼の意を表します。
合掌
あーあ、俺もカッコ良く生きてえなあ!